2大クラウドメモ帳、どう使い分ける?

2016年6月27日

2021年6月18日

個人用のメモ帳アプリと言えば、多くの人はEvernoteを思い出すでしょうか? メモ帳というよりも個人用のデータベースのような高機能ぶりで、大きなシェアを持っています。 熱心なファンも多く、いろいろなところでTipsが公開されています。 よく比べられるGoogleKeepですが、Evernoteほどの熱心なファンはいないのかも。 Evernoteファンからは機能が少ないと言われたりしています。 でも実はこの2つ、同じ「メモ帳アプリ」と言ってはいけないほど方向性が違うんです。 うまく使い分けると、片方に感じていた不満が解消できるかもしれません。

Evernoteのおさらい

Evernoteと言えば、技術系なら知らない人はいないと思うほどのポピュラーなアプリ。 いろいろな形式のファイルを保存して、パーソナルなデータベースが作れます。 最近はDocomoの携帯を買うとプレミアムユーザーの権利がついてきたり、タイアップした文房具が発売されていたり、認知度も高いですね。 もちろんデータはクラウドに保管されているし、いろいろな端末向けのアプリがあるので、どこからでもアクセスできます。 Evernoteは高機能すぎて使い方がよくわからない、という声もありますが、熱心なファンがサイトでいろいろなTipsを公開しているので、ハードルは低くなりつつあります。

EvernoteがGoogleKeepよりすごいところ

いろいろな種類のファイルを保存できて、違う形式のファイルでも1つの「ノートブック」にまとめることができます。 多様なファイルを保存しても、いろいろな種類の検索ができるうえに検索オプションも豊富なので、いろいろな種類や内容のファイルを入れすぎてわけがわからない、ということもありません。 サードパーティ製のアプリも充実しているので、同じEvernoteを使っていても、どのアプリを使うかで使い勝手が違ってきます。 アプリを活用すれば、名刺を読み込んでスキャンし、iPhoneの連絡先に登録するという操作も楽にできます。 Webページをまるごとクリップできるので、該当サイトが消えていても読むことができます。 また、Evernoteに保存した内容をHTML化することもできます。 ユーザーごとのメールアドレスが割り振られているので、メールマガジンなどを自動的に保存しておくこともできます。 入力したデータは、ノートブックとタグで分類・整理できます。 入力のためのテンプレートも作成できるので、データの整形も可能です。 分類をきちんとすることで、目録、記録、ログなど、長く保存するものに向いています。 iftttやZapierで他のWebサービスと連携し、いろいろな機能を実現できます。 Evernoteには有料プランがあり、プレミアムユーザーはたくさんのデータを使用できます。

GoogleKeepのおさらい

GoogleKeepは、Googleが提供しているメモ帳アプリです。 Evernoteに比べて、こちらはとてもシンプルです。 機能も絞られているので、一見、Evernoteに比べて出来ないことばかりのように見えます。 GoogleKeepはEvernoteのようにデータベースを作るよりは、思いついたことをぱっとメモするメモ帳や付箋に近いです。 もちろんデータはクラウドに保管されているし、いろいろな端末向けのアプリがあるので、どこからでもアクセスできます。 Evernoteの検索機能も充実していますが、GoogleKeepも検索機能は強力です。Googleですから。

GoogleKeepの弱いところ

Evernoteに比べて、分類機能は貧弱です。 メモ自体を8色に色分けしたり、メモにラベルをつけることはできます。ラベルは1つのメモに複数つけられます。 基本的に、あまり分類などせずに何でも突っ込むように作られています。 入力できるファイルの種類も限られています。 テキスト、リストアイテム(チェックリスト)、画像つきメモ、音声メモの4種類dす。 リッチテキストも使えません。 Webページはリンクのみ保存されます。まるごと保存はできません。 リンクを保存するときに、コメントをつけることもできます。 これはEvernoteにはない機能です。

GoogleKeepのすごいところ

とにかく軽い。機能がシンプルなだけに、動作がとても軽いです。 低スペックなマシンやスマートフォンでは嬉しいポイントですね。 必要なことをぱっとメモして、すぐに忘れることができます。付箋と同じです。 Google製なので、Googleアカウント(gmailのアドレス)を持っている人なら、使っていなくても持っています。 もちろん無料です。有料プランもありません。 GoogleKeepはアプリからしか操作できないのでわかりにくいですが、データはGoogleDrive上にあるので容量も心配ありません。 Google製なので、アカウント全体に2段階認証をかけることができ、セキュリティの面からも安心です。 音声入力で入力できます。 Evernoteは音声メモとして保存しますが、GoogleKeepは音声ファイルと同時に、音声を自動でテキスト化して保存してくれます。 音声検索機能と同じように、かなり音声認識も精度が高いです。 あいまいな入力ができます。 Googleカレンダーなどではきちんと日時を入力する必要がありますが、GoogleKeepは「あとで」「来週」などの適当な入力が可能です。 この辺りは付箋のような雰囲気です。 入力項目が少ないのは、使い勝手の良さです。素早くメモを取ることができます。 GoogleKeepには、決まった時間や場所で通知してくれるリマインダーがあります。 Evernoteも決まった時間に通知してくれるリマインダーがありますが、場所をトリガーにした通知はできません。 GoogleKeepは端末のGPS機能と連動して、特定の場所に行ったときに、指定したメモを通知してくれます。 場所のリマインダーというと不思議ですが、かなり使い勝手がいいです。 たとえば決まった店に行くと買い物リストを表示したり、特定の駅に着いたら電話するよう表示したり、プライベートでもビジネスでも使えます。 もちろんAndroid Wearスマートウォッチにも表示されるので、スマートウォッチユーザーにはかなり便利です。 もちろん、時間をトリガーにして決まった時間に電話するように表示することもできます。 共有機能が強力なので、いろいろなところにシェアできます。 この機能は特にAndroidスマートフォンで威力を発揮します。 他のアプリからGoogleKeepへメモを共有し、編集してさらに他のアプリに共有できます。 Google+やTwitterなどのSNSだけでなく、メールやメッセンジャーアプリなど、いろいろなところにデータを渡すことができます。 もちろんメモ毎に指定した相手と共有できます。

どう使い分ける?

こう見ると、GoogleKeepはEvernoteとは全然違うアプリであることがわかります。 私はどちらのアプリも使っています。 GoogleKeepは一時的に保管したり、急いで入力したりするために使っています。 よく使うのは、SNSでシェアされたサイトやツイートなどで、後で見たいものをGoogle Keepにメモします。 一切分類や色分けはしていません。 入れたものは基本的にあとでアーカイブするか削除するのが前提です。 Todoや予定などにはTodoistやGoogleカレンダーを使っています。 Google Keepのメモは後からゆっくり見て、必要であればブックマークに入れたり、Evernoteに保存したりします。 入力時に分類やタグ付けをするのが面倒なので、ある程度長期保存すると決めたものだけを入力しています。 旅行用メモ、レシピなど、適用できるノートブックを考えて、分類しながら入力するようにしています。 Google Keepが付箋なら、Evernoteはノートブックです。

さいごに

どちらもとても便利なので、用途に合わせてうまく使い分けられると、一層便利になります。 スマートフォンでは、一時保管用のGoogleKeepのウィジェットをホーム画面に置いておくのがおすすめ。 音声入力と組み合わせると、すぐに使うことができます。