フリーランスになるには、面倒な手続きがたくさんありそう、と思う人が多いようです。
意外にも「必ず必要」な手続きは保険・年金関係だけなんです。
ただし、やっておいた方がいい手続きはたくさんあります。
今回はそんな手続きについて解説していきたいと思います。
開業に関する手続き
フリーランスとして開業するのは、基本的に税務署での手続きになります。 普段税務署と言うとあまり行き慣れた場所ではないかと思いますが、これから足を運ぶ事が多くなってくるかと思います。 「税務署=怖い、何か役所の方から責められそう」と言ったイメージがあるかもしれませんが、そんな事はありませんのでまずは税務署に対するマイナスなイメージは無くす事が重要です!! 税務署で処理してもらう作業について解説して行きます。開業届の提出
独立するときは、開業届を出します。新しい事業を始めるときに、税務署に提出する書類です。 提出期限はフリーランスとして事業開始から1ヶ月以内ですが、実は改行開始の提出期限には義務はありません。 更に言ってしまうと開業届は出さなくても何も問題ありません!! ただし、開業届を出すといくつかのメリットがあります。開業届を出すメリット
- 青色申告ができる
- 「小規模企業共済」に加盟でき、掛け金が全額所得控除される
- 屋号名で銀行の口座が開設できる
屋号をつける?
独立してフリーランスになると、屋号をつけることができます。 開業届に屋号を書けば、屋号の届け出も同時にできます。 税務署の申告書類にはたいてい屋号を書く欄があるので、屋号をつけるつもりがあれば、あらかじめ決めておきましょう。 屋号なしでも仕事はできます。屋号を着けない場合は、「あなたの名前がフリーランスとしての社名となります。」 所謂、フリーランスとしての会社のブランドは「自身の名前」と言う事になります。 ただ、大半の方は屋号を付けた方がフリーランスとして気持ちが良い意味で高まる事があるかと思います!! 名刺や各種書類に屋号を付けると、ビジネスを行っている自覚が高まり、顧客へのイメージアップにもなります。 事業内容が誤解されない、難しすぎない、自分の気に入る名前を考えましょう。他社の商標などと被らないようにチェックが必要です。 屋号をつけるなら、屋号でドメインが取れるといいですね。 技術職なら、屋号ドメインのサイトやアドレスがあるとカッコいいですね。青色申告の届け出
以前は、開業すぐは白色申告、利益がでるようになったら青色申告という人も多かったですが、最近は開業と同時に青色申告にする人が多いようです。 白色申告でも記帳の手間は変わらないですし、青色申告は税制上のメリットも大きいので、ぜひ申請をしておきましょう。 正式には「青色申告承認申請書」と言います。開業届とセットで税務署に出します。 税務署によっては、最初の1年は無料で年1回税理士への相談会を開いてくれるなどのイベントもあります。 白色申告で済ませる場合は、開業届のみで大丈夫です。特に手続きは必要ありません。銀行・金融関係の手続き
金融機関は、フリーランスになるととたんに冷たくなるところが多いです・・・ フリーランスとは銀行機関から言えばフリーターと同じ立場と認識します。 芸能人の方も基本的にはフリーランスとしての立場です。よくTV等で「芸能人はローンが組みにくい」等言うタレントさんがいますが、フリーランスという理由がとても大きいのです!! そのため、サラリーマンのうちにいろいろ手続きをしておきましょう。仕事用口座の作成
フリーランスになると、経理をやってくれる部署はなくなります。 仕事でのお金の流れは自分で正確に把握しておきましょう。そのために、プライベート用とは別に仕事用の口座を作っておきましょう。 光熱費やプロバイダの料金、仕事用のクレジットカードや携帯などの引き落としなども経費になるので、まとめて仕事用の口座から引き落としされるようにします。 ネット銀行でもいいですし、独立前から口座を持っている人も多そうです。ネット銀行は便利なのですが、顧客側がネット銀行に慣れていない場合はちょっと説明の必要があるかもしれません。 口座名に屋号を入れたい場合は、屋号と自分の名前を組み合わせた名前の口座になります。もちろん、個人名のみでの口座でも大丈夫です。仕事用のクレジットカードを作っておく
フリーランスになると、クレジットカードの審査に通るのも難しくなることもあります。 ぜひ独立前に用意しておきましょう。 経理上の手間を省くために、クレジットカードはプライベート用と事業用で別にしておいた方がよいでしょう。 すでに複数枚のクレジットカードを持っているなら、1枚を事業用に決めるといいでしょう。ローンの契約や見直し
不動産関係の契約は、フリーランスには厳しいもの。 審査に通りづらくなったり、審査に通っても金利が上がったりすることもあります。 もしも自宅を購入する予定があれば、ローンの契約はサラリーマンのうちに済ませておきましょう。 できれば、独立はローンを組んですぐにはしない方がいいですね。 無理なく返済ができるかどうかを確認する必要がありますから。 独立直前には、その時の金利を見直して借り換えも検討し、フリーランスになっても無理なく返済していけそうかチェックします。事務所の準備
フリーランスでも別にオフィスを構える人もいますが、最初は自宅兼仕事場で充分です。 特にエンジニアなら、デスク1つで十分なことも多いと思いますので、自宅での開業をおすすめします。 別にオフィスがあると、賃貸にしろローンにしろ、固定費がかなり上がってしまいます。 ある程度コンスタントに営業利益を出せるようになってから考えたほうが懸命です。 自宅以外で作業したいという時には、シェアオフィスやコワーキングスペースという方法もあります。 カフェなどでノマドワークする人もいますが、あまり長居はできませんし、電源の確保も必要です。 またカフェなど人の多いところでは、守秘義務のあるような作業はできません。管理規約を確認する
フリーランスのエンジニアならあまり関係ないかもしれませんが、マンションの場合、自宅での開業は管理規約や賃貸借契約で禁止されている場合があるので、念のため確認しておきましょう。 不特定多数の顧客が出入りすると、規約になくても問題になりやすいので、顧客との打ち合わせは、チャットツールを使うか、自宅外のカフェなどで行った方が安全です。 また個人事業主から法人化を考えるときは、登記が可能な物件か、規約に違反しないか、再度確認する必要があります。連絡先はどうする?
名刺に連絡先を入れたいけど、自宅の住所は入れたくないという場合は、バーチャルオフィスという方法もあります。 またエンジニアなら最初から連絡先に住所は入れない人もいます。 住所の替わりに、メールアドレス、ポートフォリオサイトのURL、slackやGitHubのIDなどを入れておきましょう。保険・年金の変更
サラリーマンの時には、健康保険や年金の手続きは会社側がやってくれるので、内容はあまり見ていないという人もいるかも。 フリーランスになると、自分が経理部も兼ねることになるので、自分で自治体の窓口に行って手続きをします。 サラリーマンの健康保険や年金の支払いは会社が負担してくれている分もありましたが、フリーランスは全額自己負担です。 いきなり支払い額が上がってびっくりするかもしれませんので十分に注意が必要です!!健康保険の変更
サラリーマンは一般的に社会保険と呼ばれる健康保険に加入しています。 健康保険は退職日の翌日には資格を喪失するので、通常は退職日に健康保険証を返却します。 フリーランスになると、国民健康保険に移ります。 国民健康保険への変更は、退職後14日以内に、各市町村の窓口に届け出ます。 「健康保険資格喪失証明書」、または離職届や退職証明書などが必要です。 納付の仕方などは窓口で教えてもらえます。 ただし、条件を満たせば、これまでの健康保険を任意継続することができます。 任意継続できるのは2年間のみです。その後はやはり国民健康保険に加入します。 任意継続の条件は以下の3点です。- 2ヶ月以上社会保険に加入していた(前の会社に勤めていた)
- 退職後20日以内に協会けんぽか、会社の健康保険組合に申請
- 任意継続期間の保険料は全額自己負担