フリーランスになり仕事をするには、大きなものからこまごまとしたものまで、仕事に対していろいろ必要なものがあります。
今までは会社が用意してくれていましたが、独立したら自分でそろえなくてはいけません。
スムーズにフリーランスとして仕事を始められる為にも独立前にできるだけ準備しておきましょう。
作業する場所
まずはフリーランスになったらオフィスをどうするかが問題になります。
フリーランスになった先輩の自由でオシャレなオフィスに惹かれている人も多いのでは?
最初は自宅で十分!
エンジニアの働き方は顧客先で常駐して開発を行う方も多いはず。
そんな方がフリーランスになると、特に広い場所や大きな道具はいりません。
その為、わざわざオフィスを借りなくても自宅の一室で十分に仕事を始める事が出来ます。
オフィスを借りると、家賃が必要になります。
しかも住居用と違って事業所の家賃は安くはありません。
その為、まずは堅実に自宅で開業するのがいいのではないでしょうか。
「受託開発の持ち帰り案件のみやるんだ!」という方でも一人で仕事する方は、自宅でも良いかもしれません。
打ち合わせには先方のオフィスに出向けば、自宅に取引先を呼ぶ必要はありませんね。
セキュリティは大丈夫?
細かい事ですが何気に気になるのが、人によっては自宅を事務所と兼用する際に、住所を名刺に刷りたくないかもしれません。
その場合は自宅の住所を記載しないでもいい方法が2つあります。
1.バーチャルオフィスを利用する。
オフィスとして公表する住所をレンタルし、手紙や電話も転送してくれるサービスです。
多少の費用はかかりますが、安心です。(安い所では5,000円以内で契約出来るバーチャルオフィスもあります。)
電話番号もレンタルすることも可能ですが、たいていオプション費用が発生してしまいます。
法人化しないうちは個人のケータイの電話番号で十分です。
もし法人化する方は法人用の番号を基本料金なしで持てるモバイルチョイス050等を使うといいでしょう。
会議室を完備しているバーチャルオフィスが主流になってきています。
万一、打ち合わせが必要になったときに使えるように会議室をレンタルできるバーチャルオフィスを選ぶといいでしょう。
2.住所は名刺などには入れない。
エンジニアならメールやチャットなどが主な連絡方法になりますので、住所は記載せずに、
電話番号、メールアドレス、チャットIDのみを掲載すれば良いだけです。
賃貸契約はお早めに
仕事場を兼ねるために広めの部屋に引っ越したいときは、退職前に済ませておきましょう。
賃貸でも分譲でも、フリーランスになると審査が厳しくなったり、断られたりしりがちです。
何故ならば、フリーランスとは会社のバックボーンが無い為、何かあった時給与の保証が無いからです。
その為、ローンの契約や借り換えも、会社員のうちに済ませておきましょう。
また、会社員からフリーランスになると、金融機関からお金を貸してもらうのは難しくなり、金利も上がったりします。
返済プランは独立しても無理なく返済していけるように見直し、場合によっては借り換えも考えましょう。
ただし、契約事項全てご利用する事が出来なくなると言う訳ではありません。
ご契約事項にもより収入面でも変わりますが、ある程度の収入があれば、相談に応じてくれます。
作業する場所
顧客先に常駐せずにシステム開発を受託開発する方は、作業のために独立した空間が必要です。
一部屋を仕事用にあてることができれば理想的です。必要なシステムを置ける机と椅子、棚が置ければOKです。
椅子は実際に座ってみて、予算と体格に合う中で、出来るだけいいものを選びましょう。
どうしても座ったままになりがちなので、腰を痛めないためにも、椅子は重要なアイテムです。
家族の協力
家族にも協力をお願いしましょう。
小さな子供や高齢の家族がいれば、日中に音が出るのは仕方のないこと。
逆に家族をわざわざ外出させたりするのでは本末転倒です。
ドアを閉められる空間を確保し、営業時間と決めた時間内にはあまり声をかけないように言っておきましょう。
フリーランスとして仕事をするならば、大人としてのモラルを持つ事は当たり前の事です!!
自己ブランディングの重要性
立すると、会社の名前がなくなって自分の名前だけで勝負することになります。
つまり、自分を売り込むことが営業です。
※参照記事(
フリーランスになる前にこれだけはやっておけ!~営業活動の準備編~)
屋号と肩書き
屋号は開業届のときに届け出ます。なくてもかまいません。
つける場合は、業務内容がわかりやすく、他とかぶらない、読みやすい名前にしましょう。
肩書きは、実務を行う上で何ができるのかをわかりやすく表します。
名刺に入れると相手に業務内容がわかってもらいやすくなります。
「代表」だけでは、実務は別な人が行うの?などと誤解されるかもしれません。
「代表/Webデザイナー」など、何をするのかわかりやすい肩書きが理想です。
自分をブランディングすることを意識して演出しましょう。
※参照記事(
フリーランスになる前にこれだけはやっておけ!~手続き編~)
名刺、印鑑
名刺は営業ツールの基本、個人ブランディングの柱です。
ネットでも注文できるので、開業前に用意しておきましょう。
記入するのは、屋号や業務内容、肩書、名前、連絡先。
連絡先はメールアドレス、電話番号、サイトURL、チャットツールのIDなど、仕事に必要なものを選んで入れておきます。
デザインは凝りすぎないように、ビジネスの場にふさわしいものを。
印鑑も、できればプライベート用とは分けておくと安全です。
屋号をつけたときには、自分の名前だけでなく、屋号での印鑑があるといいです。
これは見積書や請求書などに押します。
ポートフォリオサイトやSNS
「
ポートフォリオを作ろう」でも触れましたが、ポートフォリオサイトも営業ツールの1つです。
名刺にもポートフォリオサイトのURLを入れておきましょう。
屋号名や名前のドメインだとわかりやすいです。
新規ドメインはネットで数百円から取得できるので、開業前にとっておきましょう。
自分保有のドメインがあれば、そのドメインでメールアドレスを作ることもできます。
またFacebookページやtwitterなどSNSのアカウントも用意します。
情報収集や仕事関係の交流、営業にも使える必須アイテムです。
IDやプロフィールにも力を入れてアピールしましょう。
これらの活動は小さな活動かもしれませんが、後々の仕事に繋がる事もあるかもしれませんので、用意する時には片手間な事をせずに全力で取り組んで行きましょう!!
営業・経理・事務に必要なもの
営業活動や事務作業には、どうしてもアナログな処理が必要になります。
紙類は営業ツールにもなるので、凝る人もいます。
各種書類・封筒
見積書、納品書、請求書などは、紙で要求される機会も多いです。
それぞれに屋号や名前入りのテンプレートを作っておくと、いざ必要なときに慌てずに済みます。
封筒も請求書などを郵送するときに必要です。
請求書や見積書を提出する際に必要となる封筒、書類を整理するためのファイルやバインダー、コピー用紙、プリンターのインクなどは余裕を持った量を用意しておきます。
プリンターは手持ちのものでかまいませんが、1台は必要です。
仕事用の口座
経理事務を簡単にするためにも、仕事でのお金の流れを正確に把握するためにも、税務署に突っ込まれたときのためにも、プライベート用と仕事用の口座は分けておきましょう。
自宅で仕事をする場合は、光熱費やインターネットプロバイダの料金なども按分して経費にできます。
詳しくは、税務署のサイトなどを参照してください。
口座名は個人の名前か、「屋号+名前」で作ります。
ネット銀行でもいいのですが、顧客が対応していないこともあるので、都市銀行もあるといいでしょう。
※参照記事(
フリーランスになる前にこれだけはやっておけ!~手続き編~)
クレジットカード
仕事の経費とプライベートな出費を分けるためにも、仕事用のクレジットカードを1枚作っておきましょう。
独立すると、クレジットカードの審査に通るのも難しくなるので、会社員のうちに用意します。
すでに複数枚持っているなら、1枚を仕事用にあてましょう。
青色申告用会計ソフト
最近、白色申告する際にも帳簿をつけることが義務化されました。
せっかく帳簿を付けるのなら税控除のメリットがある青色申告をしましょう。
青色申告に対応した会計ソフトがあれば、簿記の知識がなくても複式簿記の帳簿がつけられて便利ですし、最近はクラウド型の会計サービスもいくつかあり、評判もいいようです。
どんなものを使うか調べて、準備しておきましょう。
※参照記事(
フリーランス必見!確定申告は、2つのクラウドツールで楽に乗り切る!)
通信環境
エンジニアなら開業前から自宅の通信環境は整っている人が多そうですが、再度、料金や安定性、速度などの使い勝手を確認しておきましょう。
仕事用のスマートフォン
業務内容によりますが、携帯は仕事用とプライベート用を分けておくと便利です。
ただしコストがかかるものなので、ある程度営業利益が出てから考えても遅くありません。
仕事用のスマートフォンを分けておくと、経理処理が楽になるというだけです。
営業職では仕事用はガラケーということも多いですが、エンジニアなら出先でチャットツールを使って連絡を取る事やドキュメントを見たりすることも多いです。
その為、スマートフォンにしていたほうが便利です。
プライベート用のスマートフォンを仕事と兼用で使う場合は、使用割合に応じて費用を按分し、経費に計上できます。
例えば、Webデザイナーの方の場合、機種違いでWebサイトの環境を調べなければならない場合、複数の機種を所持する場合もあります。
その場合、ご契約しているスマートフォンの費用を全て経費に計上できます。
ノートパソコン、タブレットなど
普段はデスクトップでもいいですが、打ち合わせに出るときには、持ち運び可能なモバイル用サブパソコンやタブレットが必要になります。
打ち合わせが多いのであればモバイルWi-Fiルーターもあると便利ですが、回線契約が必要なので、コストと使う回数を考えて選びましょう。
スマートフォン同様、購入したノートパソコンやタブレットなども購入した物を経費に計上できます。。
作業場でのシステム
安定して速度の出る常時接続回線が必要ですが、すでに確保している人が多いはずです。
バックアップシステムは、外付けHDDとクラウド保存の二段構えで用意しましょう。
万が一、データが飛んだら一大事です。
できれば寝ている間に自動的にバックアップをとるシステムを用意しておきましょう。
貯金
これが一番大事です!!
独立してしばらくは無収入になる可能性もあります。その為、最初の仕事を終え、代金が支払われるまでの時差があるからです。
しかしその間も、生活費や税金は必要になりますので、運転資金は用意しておきましょう。
また、フリーランスは病気になったたらいきなり無収入になる恐れもあります。
何かあったときのために、ある程度の貯金は必ず必要です。
フリーランスになり収入が増える事で、毎月の税金や保険金の支払額も増えます。
これは、それまで会社が負担してくれていた部分がなくなるためです。
しかも住民税は前年度の収入の金額をもとに算出されますので、当座の住民税、国民健康保険、国民年金を払えるようにしておきましょう。
経費の計上内容について
フリーランスになると、いろいろ購入するかもしれませんが、開業のために購入したものは「開業費」として経費として計上できます。
また開業後に購入したものは「消耗品費」など、適正な経費で処理します。
ただしパソコンや椅子など、10万円を超えるものは「減価償却資産」となり、開業費には含めません。
経費の計上内容については税務署のサイトで確認してください。